主の聖名を讃美いたします。

青空をほとんど見なかった長雨を過ぎて、ようやく秋晴れを仰ぐ10月。道を挟んで西側の隣家にあるキンモクセイが満開で、開けた窓から芳香が漂ってきます。9月21日は中秋の名月が満月と重なり話題となりましたが、天気予報は曇り。授業を終え、期待薄で外に出たら、雲の切れ間に煌々とした月が見える! 屋上へ駆け上がり、不慣れなスマホで記録。雰囲気だけは撮れました。夜更けに東からすばるとアルデバラン(おうし座一等星)が昇れば、もう冬は間近です。

「夜の月 朝の光 星の輝きも 主の光 主の愛に 優るものはない」(教会福音讃美歌33)                          

校長 関野祐二

前後期の入れ替え作業を経て

どうにか辿り着いた、9月30日の前期最終日。組織神学を週二日40回走り抜いた面々をねぎらい、「学期休みに貯金を作れるね」と余計なことを言ったら、「いや、借金返済からです」との切り返し。何のことかってこれ、毎回の提出レポートの話です。実はこちらも採点がたまっているので、境遇は同じですね。対面でしたら慰労を兼ねてお茶会を催すのですがそれも出来ず、そそくさと一週間の休みに入りました。在校生の皆さんも教師の方々もほんとうにお疲れさま。ところが、せっかくの休みもなんだか気持ちが上がって来ません。妻曰く「アナタは学生さんからエネルギーをもらってるのよ」と。チャペル前、画面に並んだ顔とのどうでもよいやり取りは、どうでもよくない必須の時間なのかもしれません。チャペル前5分価千金、ですね。新型コロナの新規感染者が減り、緊急事態宣言も9月末で解除されましたが、第6波への警戒が叫ばれる中、本校は後期もZoomオンライン授業を続けます。聴講生2名が加わりますよ。一番の注目は、Ya 先生の基礎科「中間時代」担当開始でしょうか。若かりし頃、「新約通論」担当初年度(MS先生いたよ)は、加減がわからず「試し斬り」状態だったことを懐かしく思い出します(今でも試してる?)。Ya 先生は懇切丁寧に優しく教えますからご安心くださいね。課題の量は不明でも、まな板の鯉になりきれば平安ですから。そう、教師だって皆、主の前にはまな板の鯉、丸腰の献身ですよ。

次年度以降の検討、その

今振り返ると、異様なほどの緊張感でした。オンライン授業に関する第3回アンケート実施と集計、運営委員会、事務スタッフ会議、そして理事会と、怒濤のように続いた8月末~9月中旬。アンケート結果を見る限り、オンライン授業に満足している在校生は、奮闘した教師への励まし票が含まれるにせよ、程度の差こそあれ9割を超えました。ではオンラインのみの神学校へ舵を切るのかといえば、今の時点でそこまでは単純化出来ません(何だか地球温暖化対策で脱炭素化社会へ向かう社会情勢のような様相)。貴重だったのは、9月の理事会をハイブリッド方式(対面とZoom併用)の実証実験を兼ねて行ったこと。この日のため高性能マイク&スピーカーを用意したら、期待した以上に、教師の声と共に教室の後ろからでも学生の声を拾ってくれる! 12月の理事会まで議論と検討は続きますが、光明が見えて来たような気がしています。遠隔地や自宅、出先からでも正規の授業が受けられるオンラインを残しつつ、対面授業やスクーリングをいかに併用するか、両者の平等性をいかに確保するか。時代の流れに逆らわず、さりとて神学教育の長い伝統や積み重ねを無視することもない、丁度よい塩梅(塩加減?)の道を探りたいと思います。虻蜂取らずは困りますが二刀流ほどのスマートさは望めず。でも、主の導きに信頼します。

〇〇年ぶりの大改革

~改革のことばも手垢がついた感ありですが、神学校事務所のそれはまさに18年ぶりの真実。何を隠そう(何も隠してはいませんが)、事務の主任が交替したのです。前任から校長と事務員を夫婦セットで仰せつかったのは2003年4月。以来、転び転ばせながらの二人三脚で18年余。昨年9月よりパート事務員が加えられ、業務伝授がほぼ終了したので、9月の理事会承認を受け、9月21日付で正職員事務員とパート事務員の勤務形態を入れ替えたのでした。見た目は二人態勢に変わりなく、夜間の電話対応などは従来と同じですが、気持ちの上では全然違うそうな。逆によく今まで事務主任プラスその他もろもろをこなしていたな、と尊敬の念をいだいたのでした。

もうひとつの改革は(ちょっと大袈裟ですが)、図書室の書庫増設でしょうか。数年前に在校生の手作りで閲覧室南側の窓下に横長の本棚を設置して以来のことで、記憶する限り、(あの狭くて暗い、気持ちも暗くなる?)書庫に書架を増やすのは初めてです。将来に向けて図書検索など課題山積みなのですが、まずは場外にあふれかえる蔵書を収めるところから。ここで感謝の報告をさせていただきたいのですが、皆さんに書架増設のための特別献金を呼びかけたところ、9月末現在で523,000円(目標額は42万円)が献げられました。すでに書架は発注済みですから、年末の公式神学校ニュースでは写真入りで設置報告が出来るはず。ホームページからのクレジットカード献金が可能となったことも功を奏しているのかと思いますが、何よりも皆さんのお気持ちが嬉しいのです。事務スタッフ(通称ゴレンジャー)は大いに励まされています!

どうぞオンラインのオープンキャンパスとセミナーへ

「キャンパスに人を呼ばないオープンキャンパス」、こんな字余り川柳はことばの矛盾、そうした疑問を誰も抱かないほど、大学や専門学校はどこもオンライン活用の学生獲得に奮闘中。本校も例外ではありません。昨年に続いて今年もZoomオンラインで行います。手探りと緊張の昨年から今年はグレードアップして、公開授業(例によってシゴキと癒しの組み合わせ)や学生会主催の歓迎会(紹介動画や証しもあるよ)を復活。茶菓を振る舞えないのは残念ですが、本校がどんな雰囲気なのか、そっと覗いてみてください。時間的にきつくなるので、恒例のセミナーは翌週土曜日からの4回シリーズとしました。今年度前期から「牧会カウンセリング」授業担当を開始し、好評のうちに初年度を終了したK先生による、専門を活かした「牧会臨床」セミナーです。教職者や神学生はもちろん、牧師を支える信徒の方々にもぜひ参加していただきたいですね。

聖契神学校の祈りの課題

  • 後期からの聴講生を含む在校生67名のオンライン授業が、教師共々支えられるように。
  • オンラインオープンキャンパスとセミナーに多くの参加者が与えられるように。
  • これからの神学校の歩みが、多くの方々の祈りと支援により、守られ推進されるように。