主の聖なる御名を讃美いたします。 

ホンモノ体験は実物を見るにかぎるというわけで、都心在住の特権を生かし、上野の国立科学博物館で小惑星探査機はやぶさ/はやぶさ2が持ち帰った小惑星のかけらと対面。小5の時、70年大阪万博アメリカ館で仰ぎ見た月の石、触れてみた(本当はだめ)アポロ8号の司令船実物を思い出しました。別の日に同じ上野の国立西洋美術館で、モネの睡蓮を鑑賞。絵の巨大さと色彩の微妙な味わいに感動しつつも人いきれに圧倒されたことでした。星はいつでも誰にでもホンモノが見られて公平だな、などと呟きつつ、夜の門閉めと校舎施錠の度、西空に輝く金星、南のシリウス、天空高い木星火星を仰ぎます。 

「来て、見てください。...もしかすると、この方がキリストなのでしょうか」(ヨハネ4:29)。 

 
校長 関野祐二

 リフレッシュ聴講、好評です


後期から運用を開始したリフレッシュ聴講制度(この呼び名、けっこう気に入っています)。本校他校の卒業生が、課題/レポートや試験を任意として既存のクラスに加わる、こう書いてしまえばそれだけのことですが、5名登録という幸先の良いスタートながら、実際にクラスの雰囲気はどうなるか、参加者が時間と授業料に見合うリフレッシュと満足をしていただけるのか、未知数でした。わが担当の神学概論クラスはそんなリフレッシュ2名を加えた10名の大所帯。バラエティに富む神学と伝統の方々が共に教理の基礎を学ぶという幅の広さ。加えて若い信徒から経験(敬虔?)豊かな熟年者、果ては他校出身者や数十年前に同じクラスを受講した牧師までいる層の厚さ。みんな違ってみんないい、そんなクラスは思いの外盛り上がっています(私見ですが)。クラス最後にオンラインのグループディスカッション(たった10分でゴメンナサイ)、終了後 30分の延長で質問と感想を受け付け、その後オンラインでのレスポンス書き込み。対面で会うのは2回のスクーリングのみでも、けっこう交わりが深まっている印象です。聖書が何を伝えているか、老いも若きも信徒も牧師もみんなでワイワイ語り合う、これって天国の前味なのでは? 

量子もつれ、再び 

好奇心のかたまりだった小学生の頃(今も変わらず)、「なぜ、どうして?」を扱う科学本が大好きでした。動物、植物、人体、地球、鉱物、物理、化学、気象、天文などなど、身近な疑問に答えてくれるし、未知の世界を探検するようなワクワク感がたまらない魅力。確か小4の誕生日に厚さ十センチもある「なぜ、どうして?」本を買ってもらい、来る日も来る日もむさぼり読んだのは懐かしい思い出です(本とラジオが友だちでした)。五十年余も経った今、「量子力学」の底知れぬ魔力と「量子もつれ」現象の神秘にはまっています。以前に一度このレターでも祈りとの関連で取り上げましたが、昨年末のNHK スペシャル「量子もつれ アインシュタイン最後の謎」で興味再燃。物質の最小単位である原子や素粒子の領域では、人の常識で理解不能な振る舞いが起こり(物質は観察した瞬間しか実在しないとか)、宇宙の果てと果てでも瞬時に量子が影響をし合う「もつれ」が起こるという(まるでテレパシー)。量子もつれは実証済みの現象で、応用した「量子コンピューター」が実用化されつつあるとも。創造主の手に成る世界の深淵を覗き込むような話ですね。好奇心は前頭葉を活性化するそうなので、神学生の皆さんも一緒にいかがですか。こうした営みは、聖書や神学が分かったかのように思い込む傲慢さから救ってくれますよね。 

霊性センター開設前夜 


ビジョンを温める、とは響きのいいことば。「ビジョン」を広辞苑で調べると、視覚、幻影に次ぐ三番目の意味で「未来像、将来展望、見通し」と出て来ますが、キリスト教用語で「幻」が単なる幻影ではなく、その実現を主に期待する壮大な未来展望を表すように、「ビジョン」には主にあってこうしたい、こうさせていただきたいとの熱き期待が込められています(主なる神との量子もつれ!?)。Yn先生が十五年も温めて来た霊性センタービジョンは、思いもしなかったコロナ禍を契機とする神学校授業のオンライン化と、それに伴う施設使用形態の変更で、今ある施設(本館二階の廊下を挟んで北側の、昭和の香り漂う第二教室)を有効利用しつつスタートする方向へと一気に具体化し始めました。恐る恐るプランを理事会に上げたら、「何を今頃(今更?)、モタモタせずに早く始めよ !」(こう言われたわけではないのですが、そんなポジティブなニュアンス)と背中を押され(突き飛ばされ)、喜々として準備を始めた(追熟かも)次第。働き人や信徒の霊性養成と回復、霊的同伴の実践と同伴者養成を目指します(すべてYn先生の受け売り)。観想、マインドフルネス、黙想、霊的エクササイズ、臨床美術などがその内容。「霊性(スピリチュアリティ)は怪しい」などと取り沙汰されたのも今は昔で、プロテスタント霊性への関心とニーズは高まるばかりと感じていますから、六月スタート(予定)に向けて霊性センターを乞うご期待! 

首が痛くなる季節、そのココロは 


1月6日からいきなりのスクーリング週間で賑やかに新年は幕を開け、クラスの始めと終わり、チャペルタイムに廊下を行き来する日々でした(コロナ前はこれが日常、今や重労働)。連日の快晴も、寒さの底にあっては夜の屋上へ皆を連れ出す勇気がなく、在校生はどことなく安堵の表情。22日の各種申請書(年度切り替えに伴う卒業、進級、継続、編入、休学などの自己申告)提出期限に向け、質問や相談(不安)も多く寄せられました。ところで3月の卒業予定者は、基礎科と専門科合わせて10名を超える多さ。もはや居ることが当たり前(?)の長期履修者も何名か卒業で、嬉しいような寂しいような複雑な思いです。人数制限がなく、今年は式後の(ささやかな)茶菓用意もありますから、卒業式にぜひおいでください(YouTube配信もあり)。ところで、今年の入学資料請求や問い合わせの数は、昨年と同程度か微増。Zoomオンライン授業はもちろん、昼夜交替単位制など物理的制約の中でも学べるシステムですから、ぜひ多くの方々に本校で学んでいただきたく、入学願書が届くのを首を長くして(ろくろ首になりそう)お待ちしています。 

聖契神学校の祈りの課題

  • 3月卒業を控えた方々の学びと卒業後の歩み。全在校生の後期学びが支えられるように。 
  • 来年度から新規に学びを始める入学希望者、リフレッシュ聴講生が多く与えられるように。在校生/教職員とその家族で療養や介護が必要な方々の回復と支え。 
  • 聖契神学校の運営が諸教会の祈りと支援により守られ、使命を果たし続けられるように。