主の聖なる御名を讃美いたします。
「春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」 季節はやや進みましたが、大河ドラマに触発されて、紫式部のライバル清少納言の「枕草子」、その有名な書き出しを思い出しました。春の明け方、我が家の東窓からは、山ならぬ目黒のビル群にかかるバラ色の雲がたなびいて見えます。そこに下弦を過ぎた有明の月がかかれば、いとをかし、ですね。梅雨入り前の今、朝晩の門の開閉時に、アジサイのつぼみの色づき加減を確かめるのが日課です。
「夜が明けて 鳥が鳴く 主のみわざ よろこぼう みことばで つくられた すばらしい 世界を」(教会福音讃美歌501の1節)
校長 関野祐二
新入生11名を迎えて
1年半の移行期間を経て昨年10月より本格運用となった、聖契神学校の「オンライン+スクーリング」スタイル。正規生を受け入れる最初の年度が4月より始まりました。どんな入学生が何名来られるのか、期待と不安で3月の入試に臨んだのですが、感謝なことに新規8名、編入を加えて11名の献身者(セイケイの場合、それは広い意味です)が与えられました。その証しと人となりは8月発行の機関紙に譲りますが、4月より始まった前期授業とチャペルタイム、5月の新歓で、各人の底力(?)とユニークな背景/経歴が徐々に開示。きわめて広い年齢層と、多様な持ち場(詳細をここに書けなくてゴメンナサイ)、米国や東北地方を含む遠近両距離まぜこぜ、どれも昼夜交替単位制のオンライン主体授業でなければ成り立たない要素ばかりで、手探りの試行錯誤により4年かけて徐々に整えて来た授業スタイルが活用されているのは嬉しい限り。前期は基礎科科目担当がなく、クラスで会えないのは寂しいですが(彼らは安らぎ?)、後期の新約緒論では手ぐすね引いて待ってマス。先輩在校生も、しっかり背中を見せてね(オンラインでは難しい?)。
GW明けスクーリング最終日に
昨年度後期からオンライン+スクーリング形態を本格運用し始めましたが、それに先立つ前期より、学期あたり2回の「スクーリング週間」を設けて登校日を集中させ、いろいろなメリットがわかって定着(遠隔地からの来校者が複数のクラスに出られる、クラスを超えた交わりが出来る、とにかくにぎやかで楽しい)。今年度前期の初回は5月6日~11日でした。本来なら夜授業は屋上での星見をサービスする(押し付ける)はずが、連日の晴れでも見合わせたのは、月なし惑星なし春の星座は見せるものなしのナイナイ尽くしゆえ。お陰でクラスも平穏な(?)まま土曜を迎えたのですが、朝一番のネットニュースで「大規模太陽フレア発生」を知り、瞬時に色めき立ちました。急遽正面玄関前に小型屈折望遠鏡を設置し、太陽を投影したら、なんとフレア源の巨大黒点群が西の端近くにバッチリ見える! 旧約通論で来校した神学生と教師をとっつかまえて、授業開始前にミニ天体観望会と相成りました。その後このフレア(太陽面の爆発現象)は地球の磁気圏に影響を及ぼし、世界各地で(なんと日本国内でも)低緯度オーロラが観測されたそうな。11年周期の太陽活動は来年が極大に当たるので、またフレアが起こるかもしれませんね。あの黒点群は大きさが地球の30倍。もう小さなことなどどうでもいいや、という気分です。いきなり外へ連れ出された新入生諸君、これで聖契神学校の洗礼式(!?)完了ですよ。
牧会マインドを持って
ずいぶん前ですが、卒業生の教会を夫婦で訪問した際、「聖契神学校のウリは牧会マインドですよね」と言われたことをよく覚えています。ちょっぴり(大いに)嬉しい誉め言葉と受け取りました。1973年の制度改革で全寮制から通学主体単位制に移行した際には批判もあったようですが、全寮制神学校出身の、本校卒業生でない牧師の身で校長職を引き受けて以来20年、とにかく在校生がみな忙しく慌ただしく出入りし、疲れを覚えながらも必死で学ぶ姿勢をリスペクトしつつ、神学生ひとりひとりと夫婦で(家内は事務所のカウンター越しに)向き合うことに努めてきたのは確かです。ある意味先行きの不透明な神学生の身分は心も経済も不安定ですから、個別のかかわりは欠かせませんし、場所は違えど教会での牧会の延長線上にありました(大きな家族みたいな感じ)。さて、オンライン化で件の「牧会マインド」はどうなったのかですが、勝負は授業の前半後半を分けるチャペルタイム、しかもその開始前5分と心得ています。画面に顔が見えた順に声をかけ、あることないこと話題を振ります(画面OFFの人にはさすがに無理)。Zoom画面のおもしろい背景に注目したり、そちらのお天気を尋ねたり、とにかく忙しい! 皆さんのこと祈ってますよ~との思いが伝わってくれればいいのですが...実は昨年来家内の病気治療があって、むしろこちらが皆に祈られていた事実が身に染み、相互牧会だったのだと納得しました。
夏休みに向かって、それッ!
不安定な春の天気、気温の乱高下(世界的にもそうで、インドの首都は50℃。メキシコでは47℃の熱波に続いて雹が数m降り積もったとか)、梅雨特有の鬱陶しさ。授業もスタートダッシュのエネルギーが切れ、GW明けから夏休みまでの二ヶ月半、青息吐息になるのは毎年のことです。学生会役員は、5月18日午後の新入生歓迎会が成功裡に終了して息つく暇もなく、コロナ禍で4年間中断していた、神学校親善(果し合い)ソフトボール大会再開に向け、他校との準備協議に入りました(憧れるのをやめて優勝を目指せ!)。6月24日はオンライン同窓会で、校長あいさつと神学書の「買い」紹介を頼まれています(家内もお祈りに感謝の報告で顔出し)。個人的には、神学校紹介と支援のお願いを兼ねた教会訪問が続きます(ぜひお声をかけてくださいね。可能な限り馳せ参じますから)。夏休みは7月21日開始ですから(ちなみに休みの初週はJEA総会による休講を埋め合わせる補講の連発。ゴメンナサイ)、そこを目指してがんばってください(担当の聖書解釈学で「神学校の恥はかき捨て」の極意伝達。そのココロは次回のお楽しみに)。
聖契神学校の祈りの課題
- 在校生58名、教職員17名の前期学びと働きが夏休みまでの間守られるように。在校生の家族で病気やケガのため療養中の方々のいやしと回復。皆の祈りが結集するように。
- 後期開始の「リフレッシュ聴講」制度が、現場の働き人の継続教育に用いられるように。
- 聖契神学校の運営が諸教会の祈りと支援により守られ、使命を果たし続けられるように。